「減量中だから、脂質は極限まで削らなきゃ…」
「またパサパサの鶏胸肉か…たまには脂の乗った魚が食べたい」
減量やボディメイクに取り組む中で、このような食事の悩みに直面していませんか?
特に大会に向けて体を絞り込む時期や、ダイエットの停滞期には、脂質への恐怖心と空腹感の板挟みになりがちです。
もし、「魚の油はカウントしなくていい(カロリーゼロ)」という夢のような理論があるとしたら、試してみたいと思いませんか?
もちろん、これはサンドウィッチマン伊達さんのネタの話ではありません。
日本体育大学教授でありボディビルダーの「バズーカ岡田」先生と、トップのクラシックフィジーカーである五味原領(ごみはられい)選手が提唱する、ガチの減量メソッドの話です。
この記事では、現役フィジーク選手である私の視点も交えながら、話題の「魚の脂質カロリーゼロ理論」のメカニズムと、絶対に守るべき実践ルールを解説します。
ただ闇雲に食べるのではなく、ロジックを理解して味方につければ、減量はもっと楽に、もっとスムーズに進むはずです。
(注:内部リンクを挿入する予定です。例:減量中の食事管理に関する記事はこちら)
魚の油は太らない?驚きの「魚の脂質カロリーゼロ理論」とは

「脂質は1gあたり9kcal。これは絶対的な物理法則なのに、なぜゼロなのか?」
おそらく、栄養学に詳しいトレーニーの方ほど疑問に思うはずです。結論から言えば、この理論は「物理的にカロリーが存在しない」わけではありません。
バズーカ岡田先生と五味原選手が提唱するこのメソッドの本質は、「魚の脂質(オメガ3脂肪酸など)は、肉の脂質とは代謝のされ方が全く異なるため、減量中であっても体脂肪として蓄積されにくい」という点にあります。
肉の脂と魚の油、決定的な違い
減量中に私たちが避けるべきなのは、主に牛肉や豚肉に含まれる「飽和脂肪酸」です。これらは常温で固まりやすく、過剰に摂取すると体脂肪として蓄積されやすい性質を持っています。
一方で、魚に含まれるDHAやEPAといった「多価不飽和脂肪酸(オメガ3)」には、以下のような特徴があります。
- 脂肪燃焼のスイッチを入れる:脂肪燃焼に関わる細胞の働きを活性化させる効果が期待できます。
- インスリン感受性の向上:食べた栄養が筋肉に運ばれやすくなり、脂肪細胞への蓄積を防ぐサポートをします。
- 炎症を抑える:激しいトレーニングによる体内の炎症を抑え、コンディションを整えます。
「計算しない」という最大のメリット
この理論の真骨頂は、厳密なカロリー計算によるストレスからの解放です。
減量末期、鶏胸肉(皮なし)の脂質1gさえも気にしてピリピリしていませんか?
この理論では、後述するルールさえ守れば「魚から摂取する脂質は計算に入れない(=ゼロとして扱う)」という運用を行います。
つまり、良質な油を摂取して代謝を回し、かつ精神的なストレスを減らすことで、結果として停滞することなく絞り切れる、という実践現場から生まれた経験則なのです。
実践のための2つの鉄則ルール:ただ食べるだけじゃNG

「魚はカロリーゼロだから、今の食事にプラスして焼き魚定食を食べよう」
これは大きな間違いです。カロリーオーバーで確実に太ります。
五味原選手も動画内で強調していますが、この理論を成功させるためには、以下の2つの鉄則を厳守する必要があります。
ルール1:タンパク質(P)と炭水化物(C)の量は固定する
この食事法の前提は、「ベースの減量食(PFCバランス)が整っていること」です。
具体的には、以下の手順で行います。
- タンパク質(P)と炭水化物(C)の摂取量は、減量設定のまま変えない。
- 普段食べている肉(鶏胸肉や牛肉)を、魚に置き換える。
- この時、魚に含まれる脂質(F)の量は計算せず、無視する。
つまり、炭水化物を極端に削ったりする必要はありません。
PとCの量を守っている限り、魚から摂取する脂質が多少増減しても、それは「誤差」として代謝され、体脂肪にはなりにくいという運用ルールです。
ルール2:毎日「違う魚」を食べる(これが最重要)
ここが多くの人が見落としがちな、最大の成功ポイントです。
「魚が良いなら、脂の乗ったサバ缶を毎日食べればいいのか?」というと、それは推奨されません。
同じ魚ばかり食べ続けると、体がそのカロリーや栄養バランスに慣れてしまい、ホメオスタシス(恒常性)が働いて代謝が落ちてしまうからです。
重要なのは、摂取カロリーと脂質量に「波(ゆらぎ)」を作ることです。
- 月曜日:タラ(低脂質)
- 火曜日:サバ(高脂質)
- 水曜日:マグロ(中脂質)
- 木曜日:アジ(中脂質)
- 金曜日:サケ(高脂質)
このように毎日魚の種類を変えることで、日によって脂質の摂取量が大きく変動します。この「予測不能なカロリーの波」が体に刺激を与え続け、代謝が高い状態をキープできるのです。
スーパーに行ったら、「昨日とは違う魚」を選ぶ。このゲーム感覚が、減量の停滞を防ぐ鍵となります。
実際にやってみた!魚生活のメリットと体験談

現役フィジーク選手として、実際にこの理論を取り入れて減量を進めた私の体感をお伝えします。
結論から言うと、「減量が辛くないのに、仕上がりが良くなる」という不思議な感覚でした。
1. 減量特有の「枯渇感」が消える
減量末期になると、どうしても脂質不足でエネルギー切れを起こし、トレーニングの強度が落ちがちです。
しかし、魚の脂質をしっかり摂るようになってからは、エネルギーが満ちている感覚が維持できました。
「脂質を摂ってもいい」という精神的な許可があるだけで、減量中の食事がストレスではなく楽しみ変わります。
これはメンタルを安定させ、暴飲暴食(チートデイの失敗)を防ぐ上でも非常に大きかったです。
2. 肌ツヤとバスキュラリティ(血管)
動画内で五味原選手も触れていましたが、美容面でのメリットも強烈に感じました。
ローファット(低脂質)ダイエットだけを続けていると、肌が乾燥し、血管の浮き出しも悪くなりがちです。
魚の良質な油が回ることで、肌の潤いが保たれ、ステージ上での見栄え(質感)が明らかに向上しました。大会当日の朝食にあえて魚を選ぶ選手がいるのも納得です。
3. 一人暮らしの味方「見切り品」こそ最強
「魚は高い」と思っていませんか?
実は、一人暮らしの自炊において、この理論は財布にも優しいのです。
ポイントは、スーパーの「割引シール(見切り品)」を狙うこと。
動画内でも語られていましたが、「自分が食べたい魚」ではなく、「その日安くなっている魚」を買うことが、結果として最強のローテーションを生みます。
- 売れ残ったカツオ(低脂質)の日もあれば、
- 半額になったブリ(高脂質)の日もある。
お財布事情に任せて魚を選ぶだけで、勝手に脂質量に「波」ができ、代謝が落ちないサイクルが完成します。「何を食べようか」と迷う必要すらありません。
一人暮らしにもおすすめ!手軽な魚の取り入れ方

「理論はわかったけど、魚焼きグリルを洗うのが面倒くさい…」
一人暮らしにとって、これが最大の障壁ではないでしょうか?
毎日続けるためには、手間を極限まで減らすことが大切です。私が実践しているテクニックを紹介します。
1. 刺身・たたき(調理時間ゼロ)
最も手軽なのは、パックから出してそのまま食べられる「刺身」や「カツオのたたき」です。
調理器具も汚れず、良質な生の油(オメガ3)を酸化させずに摂取できるため、栄養価の面でも最強です。夜遅く帰宅した際も、スーパーで割引シールが貼られていることが多いので狙い目です。
2. 最強の時短アイテム「レンジメートPRO」を活用する
「温かい焼き魚が食べたいけれど、煙やグリルの掃除が嫌だ」という方には、「レンジメートPRO」の導入を強くおすすめします。
これは従来のシリコンスチーマーとは違い、特殊なセラミックプレートがマイクロ波で発熱するため、「電子レンジなのに魚に直火のような焼き目がつく」という画期的なアイテムです。
- 魚を乗せてチンするだけ(ほったらかし調理)。
- 皮はパリッと、身はふっくらジューシーに仕上がる。
- 使用後は本体をサッと洗うだけ。グリルの網を洗う手間から完全に解放されます。
自炊のハードルを下げ、美味しい焼き魚を毎日楽しむための投資として、これ以上のものはありません。減量食のクオリティが一気に上がります。
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「魚の脂質カロリーゼロ」を裏付ける科学的根拠

「カロリーゼロ理論」というキャッチーな言葉の裏には、しっかりとした栄養学的なメカニズムが存在します。なぜ魚の油が体脂肪になりにくいのか、その理由を科学的な視点で解説します。
1. UCP1(脱共役タンパク質)の活性化
魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)には、脂肪燃焼細胞と呼ばれる「褐色脂肪細胞」や、それに似た働きをする「ベージュ脂肪細胞」を増やす働きがあることが研究で示唆されています。
これにより、熱産生に関わるタンパク質「UCP1」が活性化し、摂取したエネルギーを熱として放出しやすくなります。つまり、「魚の油自体が、体脂肪を燃やす起爆剤になる」というメカニズムです。
2. DIT(食事誘発性熱産生)の高さ
魚は高タンパク質食品です。タンパク質は三大栄養素の中で最もDIT(消化吸収に使われるエネルギー)が高く、摂取エネルギーの約30%が熱として消費されます。
さらに、魚の脂質は肉の脂質に比べて分解・吸収のプロセスがスムーズであり、代謝の過程で体に負担をかけにくいという特徴もあります。これらが組み合わさることで、実質的に体に残るエネルギー(ネットカロリー)が低くなると考えられます。
よくある質問(FAQ)
この理論を実践する上で、よくある疑問に回答します。
Q1. 毎日スーパーに行く時間がありません。サバ缶でもいいですか?
A. はい、問題ありません。ただし「水煮」を選んでください。
味噌煮や醤油煮は砂糖が多く含まれているため、減量中は避けるべきです。また、オイル漬けも余計な油が含まれるためNGです。
具体的な商品としては、伊藤食品の「美味しい鯖水煮(通称:あいこちゃん)」がおすすめです。食塩不使用のタイプもあり、余計な添加物がなく、脂の乗りも良いため、多くのトレーニーに愛用されています。
Q2. お寿司は食べてもいいですか?
A. 基本的にはNGです。
ネタ(魚)は素晴らしいですが、シャリ(酢飯)には大量の砂糖と塩分が含まれています。どうしても寿司屋に行く場合は、刺身単品を頼むか、シャリを半分にするなどの調整が必要です。
Q3. 水銀などの重金属は気にしなくていいですか?
A. 「毎日違う魚を食べる」というルールが、そのリスクヘッジになります。
マグロなどの大型魚ばかりを毎日食べ続けると水銀の蓄積が懸念されますが、アジやイワシなどの小型魚、タラやサケなどをローテーションさせることで、特定のリスク物質が蓄積するのを防ぐことができます。
この点においても、動画で推奨されている「魚のばらつき」は理にかなっています。
まとめ:魚の脂質を味方につけて、最高の絞りを
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今回の「魚の脂質カロリーゼロ理論」について要点をまとめます。
- 理論の本質:魚の油(オメガ3)はUCP1を活性化させ、体脂肪になりにくい。
- ルール1:P(タンパク質)とC(炭水化物)の量は固定し、魚の脂質(F)は計算しない。
- ルール2:毎日違う魚を食べて、脂質量に「波」を作る(これが最重要)。
- 便利ツール:調理が面倒な時は「レンジメートPRO」や「あいこちゃんのサバ缶」を活用する。
減量は「食べない我慢」だけではありません。賢く食べて代謝を回すことも、フィジーク選手にとって重要な戦略です。
今まで鶏胸肉一辺倒で停滞していた方は、ぜひ今夜からスーパーの鮮魚コーナーに立ち寄ってみてください。
「今日はどの魚にしようかな?」という選ぶ楽しみが、あなたの減量ライフを劇的に変え、ステージでのコンディションを最高のものにしてくれるはずです。

