「筋肉をつけたいなら、プロテインは必須」
そう信じて毎日シェイカーを振っているトレーニーの皆さん。実は誰にも言えないこんな悩みを抱えていませんか?
- プロテインを飲み始めてから、異常にオナラが出る・臭い
- 飲んだ直後にお腹がゴロゴロして、下痢をしやすい
- 常にお腹が張っていて(膨満感)、ウエストが太く見える
- 背中や顔にニキビができやすくなった
「タンパク質をたくさん摂っているから仕方ない」「筋肉がつく証拠だ」と自分に言い聞かせているかもしれません。
しかし、はっきり言います。それは間違いであり、危険信号です。
その不調は、あなたが飲んでいるプロテインに含まれる「不純物」を、あなたの腸が処理できていない証拠です。
多くの日本人が選んでいる「安くて大容量のプロテイン(WPC)」が、実は腸内環境を破壊し、せっかくの筋肥大効果を下げている可能性があります。
今回は、日本人の腸と相性の悪いプロテインの正体と、そもそも「プロテインは本当に必要なのか?」という根本的な疑問についても、科学的な視点でメスを入れていきます。
原因:そのオナラの正体は「消化不良を起こした乳糖」

なぜ、健康のためにプロテインを飲んでいるのに、お腹がガスでパンパンになってしまうのか。
その犯人は、安いプロテインのほとんどに含まれている「乳糖(ラクトース)」です。
日本人の腸は「WPC」を処理できない
プロテインには大きく分けて2つの製法があります。
- WPC(コンセントレート製法):安価。タンパク質以外の「乳糖」や「乳脂肪」が多く残っている。
- WPI(アイソレート製法):高価。フィルターで「乳糖」や「乳脂肪」を極限まで取り除いている。
市販されている「1kg 3,000円〜4,000円」クラスのプロテインは、ほぼ間違いなくWPCです。
前回の記事でも触れましたが、日本人の約7割〜9割は、この乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)を十分に持っていません。
分解されなかった乳糖は、そのまま大腸に届き、悪玉菌のエサとなって異常発酵を起こします。
[Image of lactose intolerance digestive mechanism causing gas]
この発酵によって発生した大量のガスこそが、止まらないオナラやお腹の張りの正体です。
つまり、WPCプロテインを飲み続けることは、「毎日、腸の中でガス爆発を起こしている」のと同じことなのです。
WPCとWPI、腸への負担はどう違う?
「たかが製法の違いでしょ?」と侮ってはいけません。日本人の腸にとっては、天と地ほどの差があります。
| 項目 | WPC (安いプロテイン) | WPI (高いプロテイン) |
|---|---|---|
| 乳糖の量 | 多い (お腹ゴロゴロの原因) | ほぼゼロ (お腹を壊さない) |
| タンパク質純度 | 約75%〜80% | 約90%以上 |
| 吸収スピード | 普通 | 非常に速い |
| 日本人との相性 | × 悪い | ◎ 非常に良い |
もしあなたが、「プロテインを飲むとおならが出るのは生理現象だ」と諦めていたなら、今すぐWPCをやめてWPIに変えてみてください。
嘘のようにピタリと止まり、下っ腹のぽっこり(ガス溜まり)が解消されるはずです。
そもそも論:なぜ「飲む」より「噛む」方が筋肉に良いのか?

ここで少し、根本的な話をさせてください。
メーカーの宣伝により「プロテインパウダーは筋肉の特効薬」のように思わされていますが、体にとっては「ただの流動食」です。
実はお腹の不調やダイエットの停滞は、WPCかWPIかという以前に、この「噛まない」こと自体に原因があるかもしれません。
1. 「食事誘発性熱産生(DIT)」のロス
人間は食事をする時、噛んで消化吸収することで熱(カロリー)を消費します。これをDIT(食事誘発性熱産生)と呼びます。
固形の鶏胸肉を食べるのと、液体のプロテインを飲むのでは、この消費カロリーに天と地ほどの差があります。
「プロテインばかり飲んでいたら痩せにくくなった」という人は、流動食に頼りすぎて、この代謝ボーナスを捨ててしまっているのです。
2. 咀嚼(そしゃく)と消化酵素のスイッチ
「噛む」という行為は、脳に「これから食べ物が入るぞ」という信号を送り、胃酸や消化酵素の分泌スイッチを入れます。
しかし、プロテインは一瞬で胃に流し込まれるため、胃腸が準備不足のまま処理を強いられます。
これが消化不良(下痢・ガス)の大きな原因の一つです。
本来、人間の消化器官は固形物を処理するようにできています。流動食ばかりを流し込むのは、腸を甘やかして弱らせる行為でもあるのです。
【ボディメイクの正しい優先順位】
プロテインはあくまで「サプリメント(補助)」です。「食事の代わり(置換え)」にしてはいけません。
- 最優先:固形物の食事(肉、魚、卵)をよく噛んで食べる
→ 代謝が上がり、腸が動く。 - 次点:忙しい時やトレ直後の補助として「WPIプロテイン」
→ 消化の負担をかけずにタンパク質を補給。 - 非推奨:安価な「WPCプロテイン」を水代わりにガブ飲み
→ 腸内環境が悪化し、ガス・肌荒れの原因に。
日本人の腸を守る「安全なプロテイン」の選び方

「じゃあ、結局どれを買えばいいの?」
スーパーやドラッグストアには数百種類のプロテインが並んでいますが、日本人の腸に本当に優しいものは、実はほんの一握りしかありません。
裏面の成分表示を見て、以下の2つの条件をクリアしているものだけを選んでください。
- 条件1:製法が「WPI(アイソレート)」であること
- 条件2:人工甘味料(アスパルテーム・スクラロース等)が入っていないこと
なぜ「人工甘味料」も避けるべきなのか?
せっかく高いお金を出してWPIを選んでも、人工甘味料たっぷりのものを選んでは意味がありません。
これらの添加物は腸内細菌叢(フローラ)を乱し、インスリン感受性を悪化させるリスクがあります。「プロテインで肌が荒れる」原因の半分は、この添加物にあります。
実験室が選ぶ「正解」のプロテイン
上記の条件を満たす、日本人が安心して飲めるプロテインを厳選しました。
1. コスパ最強のWPIプレーン(味付けなし)
一番のおすすめは、「プレーン味」です。
余計な甘味料や香料が一切入っておらず、タンパク質含有量も90%近くあります。最初は味が素っ気ないかもしれませんが、慣れれば「ミルク感のないスッキリした水」のように飲めます。
たとえばエクスプロージョン ホエイプロテイン プレーン味は価格が抑えられており、毎日飲むのに最適です。お腹のゴロゴロ感から開放されたいなら、まずはこれを試してください。
2. どうしても甘さが欲しいなら「ステビア」使用
「プレーンは飲みにくい…」という方は、天然甘味料である「ステビア」を使用したものを選びましょう。
人工甘味料のような体への負担が少なく、自然な甘さを楽しめます。
【WPI】リミテスト ホエイプロテイン(人工甘味料不使用)は国内製造で、香料・人工甘味料を使わずに仕上げた高品質プロテインです。
3. 【番外編】乳製品を完全に断つなら「ヘンプ」
もしあなたが「4毒抜き」を徹底していて、乳製品自体をゼロにしたいなら、ソイ(大豆)ではなく「ヘンププロテイン(麻)」が最適解です。
添加物がなく、オメガ3脂肪酸や食物繊維も同時に摂れるため、腸活には最強の食材です。
HEMP FOODS ヘンププロテインは「きな粉」や「土」に近い独特な風味ですが、腸への負担はゼロ。本気で体を浄化したい期間におすすめです。
プロテインと腸内環境についてのよくある質問
最後に、プロテイン選びや飲み方について、よくいただく質問に回答します。
Q1. WPIは値段が高いです。無理してでも買うべきですか?
A. 「腸への投資」と考えれば安いです。
確かにWPIはWPCの1.5倍〜2倍近い価格がします。
しかし、WPCを飲んで腸内環境を荒らし、ガスで悩み、高い化粧水で肌荒れをケアするコストを考えれば、最初から体に合うものを飲む方がトータルコストは安く済みます。
どうしてもコストを抑えたい場合は、普段は鶏胸肉や卵を食べ、ここぞという時だけWPIを飲むスタイルをおすすめします。
Q2. 豆乳や牛乳で割ってもいいですか?
A. 「水」一択です。特に牛乳はNGです。
せっかく高いお金を出して乳糖をカットしたWPIを買ったのに、牛乳(乳糖の塊)で割っては全く意味がありません。
豆乳も悪くはありませんが、余計な脂質やカロリーを摂ることになるため、吸収スピードと消化の良さを最優先するなら「水」で割るのが正解です。
Q3. 1日何回飲めばいいですか?
A. 「食事で足りない分だけ」飲んでください。
「1日3回必ず飲む」といった決まりはありません。朝食と昼食でしっかりタンパク質(肉・魚)が摂れているなら、そのタイミングで飲む必要はありません。
「トレーニング直後」や「忙しくて食事がおにぎりだけになった時」など、あくまで補助食品(サプリメント)として活用しましょう。
Q4. シェイカーを洗うのが面倒で、作り置きしてもいいですか?
A. 絶対にやめてください。雑菌の温床になります。
プロテイン液は栄養の塊なので、常温で放置すると爆発的なスピードで雑菌が繁殖します。これが食中毒や下痢の原因になることもあります。
飲む直前に作り、飲み終わったらすぐに洗うのが鉄則です。
おわりに:プロテインは「魔法の粉」ではない

「プロテインさえ飲んでいれば筋肉がつく」「健康になれる」
そう思い込んで、お腹の不調を無視して飲み続けていた過去の自分に、僕は「一度立ち止まれ」と言いたいです。
私たちの体を作るのは、工場で作られたパウダーではなく、日々の食事です。
もし今、あなたがガスや肌荒れに悩んでいるなら、一度プロテインをやめて(あるいはWPIに変えて)、お米と味噌汁と焼き魚という「普通の食事」に戻してみてください。
驚くほどお腹が凹み、体調が良くなるはずです。
筋肉をつけるためといって、内臓を壊しては本末転倒です。自分の腸の声を聞いて、賢い選択をしてください。
🥛 プロテインだけじゃない?その不調、ヨーグルトのせいかも
「プロテインはWPIに変えたけど、まだ少しお腹が張る」という方。
もしかして、朝食のヨーグルトはそのまま食べていませんか?実は日本人の腸にとって、ヨーグルトもプロテイン同様にリスクが高い食品です。

